ちょっとコーヒーブレイク

●「かっこよすぎ~💛」





高校卒業後、京都に住んでいました。

年末は、毎年、那智勝浦の実家に帰省していました。

南紀勝浦は、「陸の孤島」と言われるがごとく、どこからも、本当に遠いです。
当時、京都駅から南紀勝浦までは、スーパー黒潮で4時間半かかりました(ちなみに終点の新宮までは、約5時間!)。

今でも覚えていますが、年末は、いつも19時2分京都発のその特急電車に乗り、南紀勝浦に着く頃は、もう23時半過ぎでした。ず~っと座りっぱなしで、お尻が痛いのなんのって・・・

その日も、年末の帰省中、京都駅19時過ぎ発の電車なので、周りの乗客達は、仕事終わりの人が多い様子、最終の遅い時間帯の電車なので、観光客はいないようで、シーンと静まりかえって、ただ、電車のゴトンゴトン・・だけが、響き渡っていました。


「は~、これから長旅だ~」

「缶コーヒーでも飲みながら、本読もうかな~」

「となりに、苦手なタイプのおじさん乗ってきたらどうしょう?(当時は、若かったので・・・)」

「お父さん、きちんと、時間通りに駅まで迎えにきてくれるかな?」

「同級生と久々の再開、楽しみ~。買ったばかりのセーター着ていこうかな~」

など、真っ暗の窓の外を見ながら、色々と考えを巡らせていました。


ふと、斜め前の席を見ると、同じ年代くらいの男性が座っていました。

もしかして、同級生で知っている人かも?(年末などの帰省の電車に乗り合わせた同世代が、なぜか、同級生に見えてしまう。田舎、あるある・・・)

ちょっと気になったので、チラチラ見ていたのですが、紀伊田辺で、彼は降りてしまい、すぐに、横に立っていたご高齢の女性がその席に座りました。

「あ、同級生で知っている人じゃなかった」と、プチ残念感を味わいながら、本を読んでいました。


そうこうしているうちに、4時間半の長旅も終わりに近づき、「関空から飛行機で4時間半って、結構な距離、行くよね~。タイでも6時間くらいで行くのに。やっぱり、遠いわ~」といつもの同じ事を思いながら、席を立ち、ドアの所に向かいました。


すると!


あの斜め前に座っていた彼が、ドアの前のあの狭い場所に座っているでは、あ~りませんか!


「え?この人、あの高齢の女性に席を譲る為に、降りるふりをしたってこと? その女性に気を遣わせないように(その女性から見えない場所に移動)? 紀伊田辺から紀伊勝浦まで2時間くらいはかかるのに、って言うか、まだ、ここで降りないという事は、終点の新宮まで?? この狭い廊下みたいな所に??」


今でも忘れられないくらい、感動しました。

それに、その彼、イケメンだったのです!

さりげない気遣いができて、で、この見た目

心の中で「かっこよすぎやろ=!」と声が出ました。


今、その彼は、どこで何をされているのでしょうか??


意外と既に知り合っている人かもしれません。


「え、それ、俺かも。あ~、そんな事あったな~」

なんて・・・


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